西村の一部地域で住宅の屋根や外壁、ビニールハウスなどが黒く汚れています。状況を知るため調査を行いました。
1. 調査地域
総社市西村の一部地域
2. 住民の皆様の声
- 住宅の屋根・外壁が黒く汚れる
- 車庫の屋根・テラス・網戸が黒く汚れる
- 太陽光発電パネルが黒く汚れる(発電量が低下する)
- 屋外に停めている車全体に黒い物が付着している
- 洗濯物・布団などに黒い汚れが付く
- ビニールハウスが1年ほどで黒くなり、光が通さなる
- 鼻を刺すような異臭がする時がある
- 慢性気管支炎が発症した
調査によると、ほとんどの住民の方が屋根や外壁、洗濯物等に付着する“黒い汚れ”の被害を日常的に受けており、以下のような実害が生じております。
- 耐用年数7年のビニールハウスが1年で黒く汚れ、光を通さなくなるため、2年での交換を余儀なくされている。
- 屋外に干した洗濯物等が黒く汚れるため、もう一度洗い直すことが多々ある。
- 汚れが無害なのか有害なのかが分からないため、洗濯物等を外に干さないようにしている。
- 子育てに相応しい環境ではないと言うことで、この地域から市外へ移住された方もいる。
3. 市の対応
この“黒い汚れ”について、総社市は平成22年度に成分調査を行いました。調査結果は、大気中の粉塵や重油ミスト、土壌等が付着し黒くなったと推測された。しかし、発生源と考えられるものは、廃棄物燃焼、自動車排ガス、工場煤煙、工場生産工程(切削、焼入れ等)に伴う屋外排気等、様々なものが考えられる。というものでした。
総社市の平成22年度の調査結果を読んで、どのように感じたでしょうか。まとめると、黒い汚れの正体は大気中の粉塵や土壌で発生源は様々な要因がある、という、とてもアバウトな調査結果でした。実際に健康被害を訴える方もいらっしゃいます。このような調査結果では、この公害によって、不自由な生活を強いられている住民の方々は納得できないと思い、市にさらなる調査を求めました。
その結果、総社市は平成28年度に200万円の費用をかけて再調査を行いました。これはこの地区での真菌類(カビなど)の繁殖状況を監視するものでした。結果、この真菌類の繁殖には水分が大きく関係しているというものでした。
その後、市は近隣の工場の水蒸気調査を続けていますが、はっきりとした原因が特定されません。
4. 今後の動き
この地区でビニールハウスなどに黒い汚れが付着する被害が明るみに出て10年以上経過しました。
このような住宅環境の中、不自由な生活を送っていらっしゃる住民の方々のために、引き続き、市に対して原因究明と誠意ある対策を求めて参ります。