【セミナー名】狭あい道路拡幅整備事業の手法と実施策

【日 時】2017年2月10日(金)10:00~16:55

【会 場】剛堂会館会議室(東京・千代田区)

 

空洞化が進む総社市の中心市街地を活性化させるために、中心市街地の区画整理が必要だと考えている。しかし、中心市街地には狭あい道路があり、セットバックをしていない住宅もあり、区画整理は進んでいない。

横浜市における狭あい道路拡幅整備事業の取組として、「横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例」を制定している。それまで要綱として制定していたものを条例にすることで事業の促進に繋げている。また、整備促進路線(概ね100m間隔で幅員4m以上の道路ネットワークを形成するために拡幅が必要な狭あい道路)を指定し、市のHPで公開し、分かりやすく市民に公開している。さらに、塀・門・門扉・樹木・生垣等の除去や擁壁の除去、塀・門・門扉・給排水管(栓・桝)の移設などに助成金、すみ切部分を市に寄付した場合のすみ切奨励金などを設け、事業促進を図っている。

平成28年には、条例改正を行っている。改正の目的は、狭あい道路の整備を促進するため必要な事項を定め、その幅員と通行に支障のない形状を確保することにより、安全で良好な住環境の形成及び災害に強いまちづくりに寄与するため、となっている。前半は改正前から目的として挙げられていたが、後半の災害に強いまちづくりに寄付の部分が追加された。防災意識が高まる時代のニーズに合わせて対応していることが分かる。具体的には改正後から、角地におけるすみ切を含む後退用地の買取りを行うなどして、より道路拡幅事業の促進に効果が出ている。

中心市街地の区画整理を行うのであれば、住民の方の協力は必要不可欠である。ただセットバックしてください、とお願いしてもなかなか実現はしない。横浜市のように住民の方が狭あい道路拡幅事業に協力しやすい条例や制度を設ける必要があると強く感じた。