【セミナー名】健康施策の推進について
【日 時】2017年3月31日(金)
【会場】アットビジネスセンター東京駅八重洲通り
① 少子高齢化に立ち向かう自治体
市町村子ども・子育て支援事業計画の事例としていくつかの市が紹介された。
まず、計画の特徴について紹介されたのが
<人口5万人未満>
- 遠野市:「遠野わらすっこプラン」に基づき、子育て支援を市の優先方針の柱として位置付け、「わらすっこ基金」への寄付納入も継続して実施
- 小豆島町:すべての町民が元気になることを目指したアクションプラン
- 豊後高田市:定住施策の推進や子育てしながらでも働きやすい環境づくりに取り組む
<人口5~10万人未満>
- 和光市:地域包括ケアシステム展開
- 越前市:子ども条例の考え方を基本とした計画の推進
- 徳島市:基本計画及び条例との関連性を重視した計画策定
<人口30万人以上>
- 世田谷区:39歳までの若者期を見据えた子育て支援
- 横浜市:「子ども・青少年にとって」の視点を中心に据える
次に計画実現の向けての推進体制・方法について紹介されたのが
<人口5万人未満>
- 遠野市:市長部局と教育員会部局併任辞令による「子育て総合支援課」を設置
- 与謝野市:子育て支援かつ出産から継続して取り組むため、子育て応援課を新設予定
- 雲南市:新制度への対応、就学前教育・保育の窓口一元化推進のため、子ども政策局を新設
- 豊後高田市:子育て支援総合推進モデル事業をきっかけとする子育て支援事業の推進
<人口5~10万人未満>
- 和光市:地域包括ケアシステムの概念を福祉施策全般へ展開、かつミクロの個別施策を実施
<人口10~30万人未満>
- 徳島市:子ども・子育て推進本部や庁内関係課によるワーキンググループを設置
- 西宮市:新制度推進チームを経て新制度推進課を設置
<人口30万人以上>
- いわき市:「こどもみらい部」を設置し、幼稚園業務を事務移管
②医療費削減と健康寿命
高齢者の就労と医療費の相関関係として、高齢就業率が高い県は一人当たり老人医療費が低いことが示された。このデータは今後の高齢化の進行に対する方策を検討する上で重要な論点として注目されている。
そこで総務省や厚生労働省では、健康寿命を延ばすために高齢者の生きがい創出に向けたモデル事業を展開している。農林水産省においても農業の安定的な経営に向けて高齢者の人財活用事業を実施している。
総務省:「シニア地域づくり人」に関する調査研究事業(平成25年~)
厚生労働省:「高齢者生きがい活動促進事業(モデル事業)」(平成25年~)
農林水産省:「農村高齢者活動支援事業」(平成22年~)
また、医療費の抑制を狙った全国的な組織として「日本健幸都市連合」が発足した。これには全国の80自治体が参加している。活動の例として
- 参加している荒川区は大学と連携し健康志向の「あらかわ満点メニュー」を60の飲食店で開発。塩分やカロリーを抑えたメニューを提供。
- 高石市では健康ポイントプロジェクトで市民に運動を促す。毎月歩いた歩数や筋肉の増加量に応じてポイントを付与し、ポイントは1ポイント1円で年間最大2万2000円分の商品券と交換できる。
などがある。こうした地域経済の活性化だけでなく、プロジェクトの参加者の医療費は参加していない人と比べ一人当たりおよそ5万円低く、全体では5億円の医療費抑制の効果があると検証している。