令和6年10月7日,8日に,総社市の姉妹都市である長野県茅野市を訪問し,茅野市議会と交流を行いました。この姉妹都市の市議会との交流事業は,コロナ禍において中断していましたが,今年総社市議会が訪問する形で再開しました。
 

デジタル田園健康特区及び地域DXの取組について

茅野市が取組むDX事業,デジタル田園健康特区事業について説明いただきました。
「若者に選ばれるまち」の実現を目指し,健康・交通・暮らしを柱に据え,規制改革に着手されるとともに,併せて在宅医療におけるデータ活用による先端的なサービスを取りまとめられました。これが国家戦略特区の「デジタル田園健康特区」に指定されることで,より大胆にスピーディに改革が進んでいると感じました。
今後ますます重要となる「在宅医療」に向けた取組,特に,医療関係者の連携のための役割の見直しや情報共有,交通手段の確保にDXを最大限に活用していることは注目すべき点です。中でも,オンラインでの服薬指導やタクシーを活用しての薬の配送には,大きな示唆をいただきました。
 

尖石縄文考古館について

尖石縄文考古館には,「仮面の女神」と「縄文のビーナス」という2つの国宝に指定されている土偶が展示されています。茅野市には、この二つの国宝に代表される縄文時代の遺跡が多数存在しています。これを地域の資源としてまちづくりに最大限に活かそうと「縄文プロジェクト」に取組んでおられました。
 

視察に参加しての所感

姉妹都市である長野県茅野市を視察して,本市と茅野市はDXについては,各段の差があると感じました。
国の構造改革特区に指定されるだけあって,地域の課題を的確にとらえ,その課題を解決するためにDXや規制改革を上手に組み合わせて提案されています。
本市にもデジタル変革宣言や「デジタルで人にやさしいまち推進条例」が策定されています。しかし,茅野市のそれと比較して,あまりにも具体性が感じられません。もっと解決したい課題を絞って,それに向けては何が必要で,何を活用すべきかを具体的に示すべきです。このままでは,ますます両者の差は開くばかりです。もっと地に足のついた取組であるべきです。

また,本市は,様々な自治体と災害協定を締結して,職員の人事交流を実施されています。しかし,姉妹都市である茅野市とは行っていません。
本市は,作山古墳の発掘調査の実施を目指していますが,その職員体制に不安があるとの課題も聞いています。縄文遺跡の発掘経験を多く持つ職員を有する茅野市から学ぶことは多いのではないかと思いました。
 
今回の交流事業を通し,さまざまな本市の課題が見えてきました。「平安時代の一生が,江戸時代の一年が,昭和時代の一年に相当する」と言われているように,過去に類のない速さで情報化が進展しています。
私はさらに「これらは,令和時代の一時間に相当する」と考えます。この情報化の進展に本市が追いついていけてないのではと懸念を抱いています。併せて,情報の拡散のスピードも飛躍的に向上しています。本市が発信する情報は,玉石混交の状況のため,必要な情報に素早くアクセスできないのではないかとも危惧しています。
こうした課題を当局と共有しながら,解決に向けて注力してまいります。