【セミナー名】データで読み解く人口減少対策 医療保険制度の財源と給付から検証する地域・世代・保険者間格差
【日 時】2017年2月24日(金)10:00~12:30
【会 場】新大阪丸ビル別館
急激な高齢化の進展とともに社会保障給付金(年金、医療、介護等)は大きく増加している。また、団塊の世代の高齢化によって医療・介護分野給付はGDPの伸びを上回って増加している。社会保障の財源の受益と負担の均衡が必要である。日本の社会保障制度では、社会保険方式を採りつつも、給付費と保険料の差は税収で補填している。国の負担は毎年1兆円規模で増加し財源の多くを借金に依存している。
日本の医療保険制度の特徴として、国民皆保険制度(全国民が保険に加入し、被保険者または世帯主が保険料を支払う代わりに重い負担なしで医療サービスを受けられる)・診療報酬点数制度(医療機関に支払わられる診療報酬が点数制の公定価格)・フリーアクセス(患者が自由に医療機関を選ぶことができる。)の3つがあげられる。被保険者は医療費の一部負担金だけを支払い、残りの医療費は保険者が負担している。ここで問題になっているのが、保険者間格差だ。例えば、同じ国民健康保険の保険料では、保険料の高い地域と安い地域で2倍以上の差がある。他にも医師数による地域格差や、病院機能による地域格差がある。
しかし、国はこうした現状にも関わらず、「社会保障と税の一体改革」で「施設から在宅へ」という医療費抑制の方針を加速させている。現行の社会保障制度の持続可能性を問うには、給付の抑制と財源の確保の2つの政策立案および評価が重要だ。引き続き社会保障制度の在り方について考えていくことが重要である。